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精神病院に長く入院すると、退院は難しくなる?

私が入院した精神病院の同室者に、20年も入院している人がいます。その人は病状も落ち着いており、入院の必要などないように思いました。私が「退院しないのですか」と聞くと、「退院しても行くところがないし」と心細そうに答えていました。その人はもう退院できないのでしょうか。

病状が安定して入院の必要がなくなっているにもかかわらず、家族や地域などに受け入れ先がないため、入院し続けざるを得ない人がいます。このような入院を「社会的入院」といいます。長期間の入院によって入院生活になじんでしまい、地域社会での生活方法を忘れてしまったり、新しい場所での生活への不安やあきらめの気持ちから退院の意欲をなくしたりする人もいます。
社会的入院は、本人にとって不必要な入院であり、重大な人権侵害です。全国の入院患者33万人のうち、3分の1ぐらいが社会的入院であるといわれています。このような社会的入院は早急に解消されなくてはなりません。けれども入院患者を受け入れる地域社会の受け皿がなかったり、病院が本人に退院させるために必要なケア・指導をしないために、ずるずる入院が長期化してしまう現実があります。
社会的入院を減らすためには、精神障害者が地域で安心して生活できる場を確保し、適切な医療・福祉を受けられる態勢を整備する必要があります。また、入院患者自身が病院から出ていこうとする意欲をもてるように、社会復帰に向けた適切なケアがなされなければなりません。