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少年の実名報道は問題?

少年事件の容疑者である少年の名前は報道してはいけないことになっていると聞きましたが、少年の実名をあげた週刊誌の記事は問題ではないですか。

日本では、14歳未満の少年が刑法に触れる行為を行なった場合や20歳未満の少年が刑法上の罪を犯した場合、少年法という法律に基づいて、源則として一般の刑事裁判とは異な審判の手続きがとられ、事実が認められても刑罰ではなく保護処分が行なわれる仕組みになっています(ただし、例外的に刑事裁判に付されることもあります)。これは少年を保護するという目的によるものです。
そこで少年法はその目的を達成するため、第61条で少年事件に関しては少年の氏名等、本人を特定することができる情報を新聞などで公表することを禁止しています。この規定はひろくすべての公表行為に適用されるとされ、しかも本人を特定することのできる情報以外のことに関しても同じであるとされてきました。
この規定に違反しても刑罰は加えられていませんが、法務省が勧告を行なったり、規定に反した報道に損害賠償を命じた判決もあります。ただ、諸外国では少年事件の実名報道に例外が認められているところもあり、これと比較して少年事件の実名報道をすべて許されないものとすることは、憲法第21条の表現の自由に照らして疑問だとする批判もあります。