老後をすべて任せられる安心感に大満足

駅から徒歩２分。大阪市は70歳以上の地下鉄料金が無料のため、 デパートへ、カルチャーセンターへと自由自在。

入居者は、「つくる会」のセミナーや講座を通して、設計段階で７割が決定。関西周辺がほとんどだが、遠くは関東や沖縄の人も。夫婦３組の他は単身者で、将来に向けて確保している人もいる。
神奈川県から入居を決めた倉沢幸也さん（77歳）芳子さん（69歳）夫婦は、「中村先生とハウス長の人柄に惚れ、また、老後をすべて任せられる安心感で決めた」という。両親を看取った後、子どもがいないため、終の住処としたい有料老人ホームを探し始めたが、現実には「ロビーは豪華でも人の気配がなかったり､ 郊外で自然に恵まれていても駅まで遠かったり」と納得のいく物件にはなかなか出会えなかった。それが「今は青春気分。ここの暮らしに大満足している」と、にこやかに話す。現在は自立型フロアに入居しているが、いずれ介護が必要になった時、専門スタッフの揃った介護型フロアへ移れるという安心感が毎日の生活を安定させているのだ。現に、専門家に24時間守られていることで、入居以来､ 10年間飲んでいた睡眠薬が全く必要なくなったそうだ。

芳子さんの日課は、朝のハウス周辺の掃除の他、介護型入居者への散髪ボランティア。爪を切ったり、メガネを洗ってあげることもある。「持ちつ持たれつ。私たちは家族ですもの」が口癖だ。多趣味で、近所の老人会のグランドゴルフクラブや映画などにも通う。交通至便のうえ、市立図書館も温水プールもすぐそば。幸也さんはゴルフの練習の他、週２回、多目的ホールでお得意の「謡の教室」を開いている。教室には介護型の90歳を超えた人も加わって“昔取った杵柄"を披露し、みんなを驚かすこともあるそうだ。

２人の部屋は約15坪の１ＬＤＫ。設計段階で、ＬＤＫ部分を残して真ん中を壁で仕切り、各自で独立した部屋をもつように変更した。入居金の約3,000万円は、持ち家を処分したお金をあてた。その他、管理費・食費・水道代・電気代などで毎月約25万円が必要だ。以前の家財道具は友人に譲ったりと処分してきたが、何よりも辛かったのは親しい友人との別れだったという。でも、それも半年ほど。今は大阪で、新しい友の輪が広がりつつある。食事は、朝食だけ自炊を楽しみ、昼・夜は「大満足」という食堂のお世話に。部屋の風呂より、24時間入れる大浴場がお気に入りだ。「私はこれまでお金では安心は買えないと思っていた。でも、ここで大きな安心を買うことができました。中村先生に本当に感謝しています」と芳子さん。

部屋の各ドアはすべて引き戸のバリアフリー設計。 居室、トイレ、浴室に緊急通報装置が付いている。

ライフ＆シニアハウス緑橋の自立型フロアの場合、部屋の間取りは8.7～16.9坪の１ＬＤＫで、入居金が1,697万円～3,267万円。月々の管理費が１人７万円、それに厨房維持費１万円、他に食費、水道代、電気代などが必要となる。途中で介護型フロアに移った場合など、入居金返還制となっている。介護型フロアの入居金は1,020万円(償却7年)､ 管理費と食費で16万円、介護費用が１～６万円、プラス水道･電気代となる。高いか安いかは、本人の価値観ではかるしかないだろう。

中村さんは言う。「ここは見守りの医療。至れり尽くせりの介護はありません。自分の健康管理は自分でやってもらい、元気な人は介護の必要な人のサポートをする。それが助け合って住まうことであり、生き甲斐にもつながっていくんです」
毎朝８時、介護型フロアの入居者に聴診器をあてて回るのが、中村さんのあいさつ代わり。昼食は毎日食堂で食べて、自立型の入居者とも必ず顔を合わせる。「このハウスが地域の人も利用しやすく、また入居者も地域にとけ込んでいけるように」と願う中村さんの姿勢は、ハウスの建物と同じようにガラス張りで、塀がない。実際に、介護の必要な人や地域の人も交えてのバザーを開いたり、近所の身体障害者に介護型の浴場を提供したり、中学生の１日体験学習を受け入れたり。入居者一人ひとりが、大切な家族となっている。
「僕は、このハウスが世界一周をするひとつの船だと思うんです。荒波を越えて寄港しては、みんなが自由に出入りする。乗組員全員が家族で、みんながお互いをサポートしながら生活していく場所なんです」　
オープンから半年。大型船「中村丸」は、それぞれの後半の人生を乗せてどう航海していくのか。すぐそばには「ライフハウス緑橋２」もオープン。新しい老後の暮らしがあちこちで始まっている。

ライフ＆シニアハウス緑橋／大阪市東成区東中本2-1-17 TEL:06-6975-6222