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【荻上チキ】感染症に地域名をつけることのリスクーー新型コロナウィルスをめぐる「命名政治」について

2020/03/11


荻上チキ

「新型コロナウィルス」こと、COVID-19のネーミングについて、一部では極めて政治的な議論が展開されている。一部「保守派」議員やオピニオンリーダーなどが、同ウィルスについて「武漢ウィルス」「武漢肺炎」「武漢熱」という名前を用いるべきだと主張しているのだ。

しかしWHOはもともと、ウィルスなどの名前に国、地域、人の名前、動物の種類などはつけてはいけないというベストプラクティス(最善方法:ガイドライン)を発表している。

WHO

なぜ地名などをつけることを避けるのか。それは、疾患名が差別につながることもさることながら、疾患名が疾患についての誤解を生む可能性があるからだ。

※例えば地域名がつくことで、「特定地域に行くと感染する(特定地域に行かなければ感染しない)」といった誤りを生む可能性など。

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荻上チキ