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人権に関する映像紹介

2018/05/08


(2)そんなの気にしない -同和問題-

1.テーマ      同和問題

2.教 材

(1)タイトル   そんなの気にしない -同和問題- (17分)

2そんなの気にしない.jpg

(2)制  作   企画・制作   東映株式会社 教育映像部
制作協力   株式会社タ-ゲット
制作年  2016年
定価   71,280円(税抜価格 66,000円)
問合わせ先  東映株式会社 関西営業推進室

(3)内  容

Chapter1「あの時」
香坂丈史と佐藤光太は、高校時代のサッカ-部のチ-ムメイトで親友でした。高校を卒業したあと丈史は東京の大学に進学し、今は住宅販売会社のリフォ-ム部門で働いています。入社6年目の今年、丈史は東京本社から故郷の町にある支店へと異動します。ある日、光太が自宅のリフォームの相談をするために丈史の勤めている支店を訪れました。不意の再会を二人は驚きます。二人は高校を卒業してからお互いに連絡を取っていなかったからです。丈史は卒業式の前日にグランドで光太と話をしたことを思い出しました。東京に行く丈史に、光太は自分が「被差別部落の出身である」ことを告白します。それに対し、丈史は光太への思いやりととまどいを同時に含むように「そんなの気にしない」と答えました。その言葉を最後に、二人の間に言葉が交わされることがありませんでした。

Chapter2「ここから」
丈史は、職場で上司や同僚と話をするなかで、自分がかつて光太と交わした言葉の意味を改めて考えます。そして、光太に会いに行くことを決意します。
10年前、卒業式の前日に会話を交わしたグランドで、光太は水をまいてグランド整備をしていました。丈史は光太に話しかけます。あの時、どうして自分は「そんなの気にしない」って言ったのか。なぜその先の光太の話を聞けなかったのか。光太も答えます。「光太は光太、何も変わらない」という意味で丈史が言ってくれたということが、今ならわかります。しかし、あの時は丈史が自分に無関心なのだと思え、悲しかったのだと。再会した二人は、離れてしまったお互いの距離を埋めるように言葉と言葉を重ねていきます。

3.ねらい

人権問題は難しい問題ととらえられがちですが、実は身近な生活のなかにひそんでいます。日常のなにげない一言や行動の中にその芽があります。人権の基本は、相手を思いやり大切にすること、そして自分の尊厳も守り大切にすることです。こうしたことは、「人権」だとあらためて考えなくても、私たちの日常生活や職業生活の上で意識していきたいものです。この作品は、人権課題をドラマで掘り下げていくことで、そこにある人権を意識し、気づき、そして視聴者それぞれが明日の自分のために一歩踏みだせるよう工夫し構成されています。

4.話し合いのポイント

①日常なにげなく使っている言葉や態度が相手の気持ちを傷つけていないか、日頃の自分自身の言動を振り返ってみましょう。

②もし、親友から同和地区出身者だということをカミングアウトされたとき、あなたならどういう言葉をかけるのか話し合いましょう。

以 上

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【参考資料】

■同和問題に関する正しい理解を
同和問題とは、日本社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の人々が長い間、経済的、社会的、文化的に低位の状態を強いられ、日常生活の上でさまざまな差別を受けるなど、我が国固有の重大な人権問題です。同和問題を正しく理解し、一人ひとりの人権が尊重される社会の実現をめざしましょう。(法務省「同和問題に関する正しい理解を」)

■同和地区および同和地区出身者に対する意識の現状
同和地区や同和地区の人に対する差別意識について尋ねたところ、「差別意識は薄まりつつあるが、まだ残っている」と答えた人の割合が54.7%と最も高く、次いで「わからない」が14.4%、「差別意識は現在もあまり変わらず残っている」が13.7%となっています。(大阪市「人権問題に関する市民意識調査報告書」、調査結果の概要・第5章「同和問題に関する意識の現状と今後の展望」平成22年11月調査)