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2003/10/17
康秀峰さん(コリアボランティア協会代表) 差別をなくすためには愛しかない


生野を大阪でいちばんいい町に

康秀峰さん 現在、スタッフは5人(ほとんど無償)。登録会員は8,600人にも及ぶ。2002年暮れの大阪弁護士会「人権賞」の受賞をきっかっけに企業や団体からのカンパも増えつつあり、今年こそとセンターの設立を目指している。
また、康さんの書は、仏で権威ある「ユニヴェール・デザール誌日本版」に2点掲載され、今年7月に行われる「日仏現代美術博」では、ルーブル美術館とハプスブルグ宮殿(ウィーン)他での巡回展示が決定。そして、今春より生野区社会福祉協議会の理事という大役を務めることになった。
「戦前、戦後を通し何の権利も持たされなかった在日コリアン。そのコリアンである僕に大きな権利が与えられました。この機会に強制連行されてきた人たちの魂を受け継いで、その役を立派に全うしたいと考えています」
これまでも多くの講演で「どんな差別であろうと闘ったらあかん。闘いは、新たな闘いを産むだけ」と訴えてきた。闘いは敵をつくり、敵はバリアを張ってくる。しかも、敵が恐怖感を感じれば、もっと強い圧力をかけてくるからだという。
「もし相手を敵と思うなら100歩下がって愛を与えてほしい。そうすればバリアも、見えない傷も必ずとかしてくれる。人間同士で本当の敵なんていません」
そのために必要なのは、社会環境をよくすること。「コリアンも高齢者も障害者もいちばん多い生野が住み良い町になれば、差別と偏見は消えて、日本も必ずよくなるはず」と微笑む。
「身体は不自由でも一生懸命働いて、次に繋げていきたい。一人息子の希奉(ヒボン)は身体を心配して無理をしないでと言うけれど、もう一度、愛で勝ち抜くところを息子に見せることが親としての使命だと思うんです」
言葉では言い尽くせないほどの差別を受けながら、いっさいの報酬も求めず我が身をもって愛の大切さを示す生き方・・・。
「親を愛するのも愛。恋人を愛するのも愛。でも名も知らない人を愛する愛は最高の愛だと思う。すべての人に手を差し伸べるのがボランティアです」
背中の痛みをこらえながらも、康さんの声は力強かった。

●コリアボランティア協会
大阪市生野区勝山北3-8-31
TEL /06-6717-7301
URL /http://www1m.mesh.ne.jp/~korea-v/
支援金の宛先/
郵便振替:00920ー6ー29408 コリアボランティア協会
UFJ銀行生野支店:(普通)3703577 コリアボランティア協会

康 秀峰(カン スボン)

1948年大阪市生野区生まれ。大阪朝鮮高級学校卒。1974年より書道教室主宰。1994年にコリアボランティア協会を設立。高麗書道連盟会長。東洋書道連盟理事。高野山書道協会参事。高麗書芸研優秀賞、高麗書道優秀賞。朝鮮民主主義人民共和国国家勲章3等。

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